AnnaMaria

 

続・裸でごめんなさい  20+. 約束(薔薇編)

 

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ドアが開き、ひとつになった影が暗い部屋にすべりこむと、
そのままパタンと隆の背中で閉じられ、
廊下の明かりが閉ざされた。

体がベッドの上にそうっと置かれる。

自分を下ろすなり、ちょっとため息をついた隆がおかしくて、
思わずベッドの上に半身を起こした。


「重たい?」

「いや、全然・・・」

「じゃ、今度、ずうっと抱き上げたまま、家の中を案内して・・・。」

「いいよ。でも最後は必ずここへ連れてきて閉じこめるぞ。」

「大丈夫、このお家広いから、途中で逃げてかくれんぼできるわ・・・」


ははっと暗い部屋の中で、陽気な笑い声がした。


「ずっとここに住んでいた僕を相手に?
 やってみればいい。99%見つける自信があるから・・」

「1%の可能性があるのね。絶対に試してみ・・・」


不意に、息が出来なくなった。
ベッドの上で抱きすくめられ、ぴったりと唇が塞がれる。

2度、3度と唇が重なり、その度に漏れる息が熱くなる・・・。


「香り・・・」

「ん?」

「どこからか、バラの香りがする・・・」


隆がまどかを抱きしめて、頬ずりをし、ほんのり笑ったような気配がした。


「前にもそんな事を言ったね。でも今日は当たりだ。
 この部屋のどこかに、一輪だけバラを忍ばせたって言っていた。」

「一輪だけなの?」

「ああ、それで十分だからと。
 姿を見ずに香りだけ感じてやって欲しいと、生けた人が言ったんだ・・・」


まどかが目を閉じると、姿を隠したバラの香りが漂ってきて、
闇に隠れた花の姿までが何となく脳裏に浮かんでくる・・・。


「あなたの匂いだと思っていたの。」

「そう思ってくれていい・・・。でも僕はここにいる。ほら・・」


まどかの手を取ると、自分のはだけたシャツの胸に押し当てた。


固く締まった筋肉の向こうに、とくとく、と掌に感じるかすかな鼓動・・・。


わたしの愛しい小鳥がこの中で呼吸をしているみたい。


そう思うととても愛しくて、まどかは自分からそっと隆の胸に口づけた。


「君だけなんてずるいな・・・」


隆はまどかを自分の膝の上にのせて、抱きしめ、
ぴったりと唇をふさいだ。


唇を合わせたまま、隆の手がまどかのワンピースの背中をさまよって、何かを探している。




「・・・?これってどうなっているの?」


降参した隆が、唇を離して、まどかの顔を見つめた。


うふふふ・・・。教えて上げない。


まどかが隆のおでこに自分のおでこをくっつけながら、笑いながらささやいた。

隆がまどかの両腕をぐっとつかんで、笑いを止めた。


「だったら、このまま引き裂いて、二度と着られなくしてしまうよ。

 それでもいいけど・・・、これ、気に入っていたから少し残念だな・・・。」


目を笑わせないまま、口元にうすい笑いを浮かべる。

暗い部屋の中でも瞳がきらりと光って、
そんな顔をするとひどく冷酷に見えるようだ。


「本気だよ。」



隆の手がまどかのドレスに手をかけると、
まどかは頬をちょっとふくらませ、ぷんとした顔を見せた。

それから少し体を横に向けると、
脇の下からウェストの方にのびるジッパーを見せ、


「ここを開けて脱ぐの。むずかしいわよ。」



なんだ、そうか・・・。


と隆の大きな手が脇の下にある小さなつまみを見つけて、
片手でまどかのウェストを押さえたまま引き下ろそうとすると、


「くすぐったいわ・・・」


まどかが手の下で体をよじらせた。

 
構わずにそのままジッパーを下げ、体の横にパックリと開いた口の中に
ためらわずに手を突っ込んで、まどかの肌を探った。


「きゃあ!くすぐったい!止めて!」


隆の手に、温かくてなめらかなまどかのおなかが触れる。

そのまま、少し乱暴に撫で回し、すぐ上にあるブラの下から手を這わせて、
柔らかい胸をぐっとつかみ取った。


「あ!」


まどかの体が硬直し、思わず声がこぼれた。

そのまま、ドレスの脇の開口部から白い胸をこぼれさせ、唇を寄せて含む。


「!!」


まどかの体が反り返り、隆の腕の下で大きく動いた。


左手でつかんだまま舌の先で舐め回し、右手はなおも体の奥をまさぐろうと、
布の中を進む。


「止めて・・・これじゃ、まるで・・・」

「君を愛してるよ・・・」


隆はやっとつかんだふくらみから唇を離してささやいた。


「でも、これじゃ、どっちにせよ、服が破れそうだな・・・」


まどかは少し悔しそうな顔でにらむと、隆が裾をつかんでドレスをまくりあげるのに
不承不承、協力した。


ドレスの下から温かくて柔らかいまどかの体があらわれてくる。

邪魔な布が幾つかあったが、今度は容赦せずにはぎ取った。




ミルクのような肌の輝き、僕をそそる長くてきれいな脚・・・。
温まった肌から、まどかの匂いがする。


隆は黙って感嘆しながら、自分も服を脱ぐ。

目を潤ませているまどかの上から、ゆっくりと覆いかぶさり、
しばらく、じっと見つめる。


体の下の温かくてしなやかな僕の獲物。


「隆・・・」


まどかが不安そうに僕を呼ぶ。

その声を聞いて、安心させるように笑うと、
僕の手で可愛い前髪とおでこを撫でてやる。


「まどか・・・つかまえた・・・」


低く耳元でささやいた。

僕の声を聞いて、にっこり微笑んだまどかの唇をそっとふさぐ。

柔らかくて甘い唇。

これも僕のものだ。


花びらのような上唇、何度かこすり上げて、
ふっくらした下唇を吸う、もう一度、もう一度・・・。

何度も味わっているうちにたまらなくなり、
容赦なく舌をからめて、口の中を暴れ回ると、
まどかが小さく声を漏らすのを感じた。


手でまどかの白い胸を覆ったまま、ゆっくりと動き出す。

柔らかい頂が手の中でたちまちとがって、掌を押してくるのを感じながら、
右手で背中を締め上げ、胸の先に唇を寄せる。


「これも僕のもの・・・」


そうっと口づけると、今度は思い切り吸い上げ、
まどかの体がまた胸の下で、大きく震えるのを感じる。


少し痛いかな・・・。

でも、今日は許して。


そのまま、まどかの体が右に左にゆれるのをしっかり捕まえて、
柔らかいふくらみを片手でまさぐりながら味わい続ける。

まどかの唇から、かぼそい吐息が漏れ始める。




今日は君にしるしをつけたい・・・
体中に僕のものだと名前を刻みたい。


柔らかくて真っ白なふくらみに。
君からは見えにくい、脇の下の蒼い影に・・・。


背中だって大好きだ。
ミルクのように白くて、真ん中を細長い山脈が通っている。

指でひとつずつ数えながら、そうっと撫で上げると
また君が体を震わせるのが伝わってくる。


くすぐったいだって?
もうそんなことは言わせないよ。


きゅっと引き締まった二つのお尻に唇を落としてサインをすると、
そのまま、腿の方へ手を這わせて、君を確かめる。

そのまま、右手を体の中心に滑らせると、

「あ・・・・」という声が聞こえ、その声がまた、僕を熱くする。


君の目が潤んでいるのが、この暗い明かりの中でも見えるよ。


今夜は逃げないで、


君はもう僕の一部なんだから、恥ずかしくないだろう。


まだ逃げるの?
まるで君の背中が僕を誘っているようだ。


もう我慢しない。
だって、僕のものなんだから・・・。


君の腰を両手でつかまえて、一気に体を沈めてしまう・・・

君がびくんと震えるのが熱い中から伝わってくるよ。


そんな声を出すなよ・・・
聞いているだけで意識が飛びそうになる。


唇で細い首筋をたぐると、滑らかな喉がひくひく動くのが見える。

君の柔らかいふくらみをまた捕まえる。
僕の手の中から食みこぼれるようで、ゆっくりともみしだくと
君が思わず、腰をくねらせる。


今、動かないで・・・。

僕から動く、僕から突く、僕から君に向かいたい・・・。

君とひとつだ。ずっと溶け合っているみたいだ。


目を開けて。僕を見て・・・。

君には僕が見えているかな。

僕には君の瞳が焦点を失くして、さまよっているのが見えるよ。
唇が僕を求めているのも見える・・・。


僕はここだ。
僕を感じて欲しい・・・。

君の中は今、どこも柔らかくて、熱くて、僕をしっかり捕まえている・・・

もうだめ?

そんな言葉は早過ぎるよ。

まだまだ追いつめるつもりだ。
まだまだのぼらせるつもりだ・・・。

君の足の先が反り返って、僕の足に絡みついている。
首すじがピンク色に染まって、とても可愛い。


君は僕と一緒にどこまでも来るって言ったろう?

こんなところで音をあげないで、まだまだついて来て。
一緒にどこまでも行ってみたい・・・。


ああ、こんなにびくびくして・・・一人でどこへ行ったの?

君を連れ戻して、熱い身体を手の中に押えつけて、もう一度。


ふ〜ん、君は意外に関節が柔らかいんだね。
どこまで脚があがるの?

それじゃ、僕がたまらないよ。

お仕置きしなくちゃ。僕を受け取ってくれなくちゃ。


君に刻むリズムを強くする・・・。

そんな風に上にずりあがっても、逃がさないよ。

声を出しても誰も助けになんか来ない。
我慢なんかしなくていい。

君の体が張り切って熱くなり、僕を跳ね返すようだ。
僕のことを思い切り締めつけてくる。

そのまま、僕と一緒に飛び降りて・・・。

絶対に離さないから。

一緒に向こうの世界まで行くんだ・・・。





少し静かになった部屋の中、バラの香りがまた戻ってくる。


「隆・・」

「何?」

「愛してるわ・・・。」


恥ずかしがりやの君からの最高の贈り物。

うれしくて、また夢中で抱きしめる。


「やっと君から言ってくれたね。嬉しいよ。

 僕も愛してる。ずっと・・」


心臓が二つ重なり合ったまま、だんだん鼓動も穏やかになっていく。

ここがお互いの居場所。
帰る場所。


やっと見つけたところなんだ・・・。

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