AnnaMaria

 

This Very Night 第46章 -待ち人-

 

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今宵、月はその姿を見せず、
星だけがその輝きを夜空に熱く煌めかせていた。


ドンヒョクの車の中では、重苦しい静寂が膨れあがって車内を圧し、
耳の感覚を奪ってしまったかに思える。

あまりに静かなので、刻々と時の進む音までも、
周りのほんの微かな音と重なって行くようだ。
そういった微かな音と音が合わさり、一種奇妙な雑音となり、
その奇妙さが心の中に説明のつかない不安を呼びこみ、彼を悩ませていた。

まるで、自分では取り返しのつかない何かが
すでに起こってしまったような不安・・・。



ドンヒョクがアクセルを踏み込むと、銀色の車はスピードを上げ、
サメが海の底深く沈む自らの城を目指し、大海原を切り裂いて進むがごとく
ひたすら前へ前へと疾走を続ける。

ドンヒョクは家の方に何も変わりがないかどうか、
どうしても確かめる必要性を感じ、気が急いていた。





彼の家は高台にあり、夜の中にひっそりとうずくまっている。
明かりのついている場所も幾つかあったが、大部分は夜の闇に沈んでいた。
家は深い眠りについているように見え、闇のあまりの濃さに、
この世から白という色が消えてしまったようだ。


夜風が庭を吹き渡り、闇を揺るがせている。

昼の太陽の下であれほど誇らかに咲き誇っていた花たちも、
今はその美しい顔を伏せ、
夜の元では鮮やかな色合いも見せずに
ただ、おどおどと沈黙しているようだ。

まっすぐに家の中へ続く階段のすぐ側に、
きちんと刈り込まれた木々や茂みが並び、
夜の風に吹かれて、かすかなささやきを漏らしている。

風がそれらを揺らし、震わせると、
たちまち剣をかまえた闇の騎士の姿に変わり、
あらゆる幸福や喜びをこの家に入れまいと、頑張っているようだ。

闇の騎士達は、人間を太陽の輝く方向から後戻りさせ、
地獄へと真っ直ぐに歩いていくよう導くため、
そこに立ちはだかっているかに見える。




銀色の車は家路を猛スピードで突っ走ったお陰で、
まだ息をあえがせていたが、
ドンヒョクは車のことなど、一顧だにしなかった。

一瞬もじっとしていられず、
まだ息の荒い車のエンジンを躊躇わずに直ぐに止め、
ハンドブレーキを引いて車の外に降り立った。
熱を帯びたままの車のボディに身を寄せて、空の方へ顔を向ける。


見上げると月のない夜空が広がり、
月の光がないせいか、今夜は一際暗く見える。


それから家の2階部分の左側に目をやると、
ぐるっと周囲をバルコニーに取り巻かれたジニョンの部屋がある。
そこもまた真っ暗だ。
彼女はもう眠りについてしまっている。



今夜は実に特別の夜のようで、
夥しい数の星々が空から吊されているものの、
その輝きはあまりにも遠く、遥かに見えた。
空の大部分を闇が占め、空が闇に呑みこまれてしまっているようだ。

冷たい風が彼の頬をなでると、
肌の上に気持ちの悪い、ぞくぞくするような感触が残った。




ドンヒョクは階段を歩いて上ると、
彼の家を守っている象牙色のドアを開けようと手をかけた。
ドアを開けると、一瞬で室内の暖かな空気に包まれる。
それはいつも通りの心地良いものだった。

壁際の明かりが穏やかな光を放って、足元の通路を照らしており、
玄関ホールから階段までずっと敷かれた絨毯が、足裏に柔らかく当たる。

全てが静かで落ち着いていて、何も変わってはいなかった。

彼は小さなため息をつくと、
今日の自分はどうかしているのだろうかと訝った。



     ・・・今朝家を出た瞬間から、ずっと落ち着かなかった。
     どうしてなのか、はっきりわからないながらも、
     一日中何かが僕の心を悩ませ続けていた。

     何かが違う、何かがおかしい・・・

     だがもう、ずいぶん遅い時刻だ。
     彼女は・・・ジニョンは今頃ぐっすり眠っているに違いない・・・




彼は長い廊下を歩き、階段を上がった。
靴が木製の踏み板に当たって、こつこつと音を立てる。
この家の静けさの中で、足音だけが異様に大きく鋭く響き、
不安になってくる。

彼は靴音を小さくしようと努め、同時に彼女の顔を見たいという、
焦がれるような自分の気持ちをも抑え込もうとした。
階段の一番上で頭をめぐらすと、2階のフローリングが見え、
それが彼女の方へとずっと導いてくれるような気がした。

ついに彼女の眠る階に着くと、
右側の奥から2番目の部屋へ向かって、一歩一歩進んで近づいて行き、
彼女の寝室のドアの取っ手を回した。





今夜は月がないので、ほんの微かな星の光だけが、
カーテン越しに淡く部屋の中に漏れていた。

ドンヒョクにはベッドの中に眠る彼女の姿がはっきり見えず、
自分の影だけが床に細く長く伸びていた。
その傾いた影はたった一人で寂しそうに見える。
だが、今のドンヒョクは満面に微笑みを浮かべていた。


     ・・・だって僕の愛が、すぐ側にいるのだから。

     たとえ君が象牙の塔に眠るプリンセスだとしても、今はここにいる。
     僕はもう孤独なんかじゃない!

     君をこの腕に抱きしめられさえすれば、
     昼の間ずっと感じていた不安や苛立ちなど、
     跡形もなく消えていくだろう・・・


ドンヒョクはゆっくり彼女の方へ歩いて行った。

ベッドの上には上掛けや毛布が重なって、すっぽりと彼女を隠している。
ベッドに近付くにつれ、そうっとした歩みになる。
部屋の中には彼女の甘い香りが立ちこめている。

ドンヒョクは自分の重みをじかにベッドにかけたら、
彼女をいきなり起こしてしまうと思ったので、
気持ちを落ち着けて、そうしないように努めた。


彼女のベッドにそっと腰を下ろしながら、微かに頭を振った。
だが、それもジニョンの眠りを妨げなかったようで、ベッドの中の寝姿からは、
何の動きも感じられない。


     ・・・君はすっぽりと頭までくるまって、ぐっすり眠っている。
     僕には君の寝顔すら見えない。
     その顔が見たくて一日中じりじりしていたのに。

     君がこんな風にすっぽりくるまって眠るのが好きなのを知らなかったら、
     ここにいないと考えてしまっただろう。

     多分、このまま起こさずに、ここから出て行くべきなんだろうな。
     ゆっくり君を眠らせてあげなくては・・・


だが、ドンヒョクは彼女への愛をこのまま引っ込めることなどできなかった。


     ・・・そうだ、僕はどうしても君の顔が見たい・・・



彼は手を伸ばして、毛布をそっとどける。

毛布の下にゆっくりと空洞が広がっていった。


ドンヒョクはぎゅっと捕まれたように収縮し、
神経がぴいんと張りつめるのを感じた。


     ・・・君が ベッドにいない。
     君が、ここにいない!・・・



ドンヒョクは毛布を今度は力ずくで引っ張り、脇へ除けた。

信じられなかった。

指でベッドのシーツをそこ、ここと触ってみたが、
彼女がここで眠っていたどんな痕跡も見出せなかった。
何の温もりも、どんな体温も感じられない。
シーツは冷たいまま。

彼女はついさっきここを出たのではない、
もっとずっと以前にここから出て行ったのだ!


     ・・・何故?
     どうして、君はここにいない?
     どこにいる?
     どこへ行ってしまったんだ?・・・


彼が今日一日感じていた漠然とした不安が、今や圧倒的な力で彼に迫ってくる。
一日中感じていたもやもやした気分は、確かに何かの予感だったのだ!


     ・・・ああ、もう遅すぎる。
     いったい君はどこにいるんだ?

     いやダメだ!こんな風に動転して、不安になってはいけない!
     落ち着かなくてはいけない!
     冷静になって初めて、考えることができるはずだ!

     階下の居間にいるということはあるだろうか?
     僕は急いでここまで上がって来てしまったから、
     居間の暗い処を良く見ていなかった。

     そうだ!君はそこに居る筈だ!・・・



彼は直ちに立ち上がった。

長身で強健な身体が大股で部屋を出て行き、
彼女を見つけられるだろうかという強い不安に囚われ、
今度は自分の急ぎ足が立てる大きな物音など、一切気にしなかった。

彼は全ての階段を飛ぶように、走り降りた。
マラソンの短距離走みたいだ。


家の一階部分に辿り着いた時、彼の心臓は狂ったように激しい鼓動を刻んでいた。
急ぎ足で玄関ホールを抜け、広い居間に入っていく。
家具類はすべていつも通り、あるべき場所にちゃんとあったが、


     ・・・ああ、君はここにもいない!・・・



こうなってみると、胸の中の不安に火がついてめらめら燃えだしたように、焦ってきた。


     ・・・何故だ?
     君はどこにいる?
     一体今日、何があったんだ?・・・


昼の間に彼がステラに電話を入れた時は、
特に何か変わったことが起きたようには聞いていなかった。
ジニョンは午前中ずっと2階の寝室にいた、とステラから聞いただけだった。
だがもう実に遅い時間だし、他に明かりのついている部屋もないようだ。


     ・・・君はどこだ?どこにいるんだ?・・・


ドンヒョクは気が違ったように、家の中の他の部屋部屋を探し回った。


     ・・・キッチン!いない!

     奥の小部屋!
     いない!いない!・・・


地下に通じるドアも開けてみた。


     ・・・いや、君がこんなところにいるなんてあり得ない!・・・



だが、彼はためらわずに闇の中へ踏み込んでいった。
地下室の明かりを付けると、物置部分は換気が悪く、空気がむっと澱んでいる。
隅々まで見回してみたが、壁に積み上げられた段ボール箱や荷物以外何も見あたらない。


     ・・・ここには生きて呼吸をしているもの、
     柔らかい体を持ったものはいない!・・・


彼はこれ以上まともに考えられなくなってきた。


     ・・・そうだ!
     もちろん君がこんなところにいる方が、全く辻褄が合わない!
     だがそれなら、一体君はどこにいると言うんだ?

     どこに?
     君は今どこにいる?・・・


地下室の隅に、太い厚手のダクトパイプが見えた。
冬の間は、そのパイプが暖房の熱や湯を供給している。

太いパイプはいくつもの支線パイプに分かれて、
まるで重い物を上に押し上げようとするかのように上へ上へと伸びて、
階上の天井部にまでパイプがつながっている。
そのパイプは暖気と熱を送りだすために、1階の隅々まで張り巡らされ、
そこから1階の天井部を通ってまた2階にまで続いている。


     ・・・そうだ!2階だ。
     君は書斎にいるに決まってるじゃないか!・・・



彼は自分の愚かさ加減に舌打ちしたいような気分だった。
なんで今までそのことを思いつかなかったんだろう?

再び、大股の大急ぎの足取りで取って返すと、1階への階段を駆け上がった。
もうこの階に見残した処はないので、そのまま真っ直ぐ次の階段へ向かう。


     ・・・おお、神よ!この家は何だってこんなに階段が多いんだ?・・・


彼は幾分ペースを上げて、2階への階段を一気に駆け上り、
ついに、書斎の前で立ち止まった。

深呼吸をひとつする。


     ・・・そうさ!君はここに居る筈だ。
     読書をしていて眠り込んでしまったんだろう・・・



彼は書斎のドアの取っ手に手をかけた。
ここまで張りつめていた緊張がいくぶん顔から引いて、
代わりに微笑みが口元に浮かんでくる。


     ・・・家の警備システムは作動した形跡が全くないし、
     このばかげた不安はまるで理由のないものだったのだ!
     君はこの書斎にいるに決まっている。

     おお、神よ!

     君を見つけたら、思いっきり強く強く抱きしめてやらなくては!
     君の息ができなくなるほど、キスをする!
     君はなんてイタズラ娘だ。

     僕がどれほど君を思っているかなんて
     全然気にしてくれたことがない!
     僕がどれほど君を心配しているかなんて、
     いつも考えてくれたことがない!・・・


ドアの蝶番にあまり油が射していなかったようで、
彼がドアを開けるときしむような音を立てた。





月はその務めに戻っていた。

黒い雲の間から姿を現し、天上から煌々とその輝かしい光を降らせている。
星々はもはや、そのスポットライトの中にはとどまっておれない。
今や空の銀の女神が、その輝かしい銀の光輪と共に舞い戻って来たのだ。

月の光は大地に惜しみなく降り注ぎ、地上の全てを光で包み、
書斎にも、窓から月の光が差し込んで来ている。


書斎は白銀の光の中に湯浴みしているようだった。

ドンヒョクは自分が雪の中に佇んでいるように、
そう、まるで冬の景色の中に取り残されてしまったように感じた。


部屋全体が冷たかった。
書斎の中には、彼女の名残りすらない。


ドンヒョクの目は書斎のテーブルに吸い寄せられた。
あの高価なバイオリンが、白い光を浴びてテーブルの上に静かに横たわっている。

そしてその隣にバイオリンケースが開けたままになっていて、
深い真紅のベルベットを貼った内張が見え、
いつも一緒の美しいバイオリンが共にいなくて、
ひとりぼっちで寂しがっているように見えた。


     ・・・どうしてバイオリンが取り出されているのだろう?
     確かにいつもと違う。

     ジニョンはこのバイオリンをたった一度試しただけだった!
     毎日練習するのには、自分のバイオリンを使っている。
     何故このバイオリンがケースから出て、
     こんな風にそのままになっているのか。
     これには一体どんな意味があるんだ?


     君は・・・君はついに何か思い出したのだろうか?
     だが一体何を?


     君は・・・君は行ってしまった?
     君は出て行ってしまったのか?
     まさか、振り返りもしないで、君はいきなり行ってしまったのか?
     そんな事があるのか?

     何故?どうしてだ?
     何故君はひと言も言わずに出て行ってしまったんだ?



     駄目だ!こんな風に君を行かせられない!
     君を見つけなければ!

     君はホテルに行ったのだろうか?
     君がここにいない、ということはホテルに居るとしか考えられないじゃないか。
     そうだろう?
     僕は君を見つけなければ!

     君に告げたい!
     君に全てを話したい・・・



ドンヒョクの長くほっそりした指がバイオリンにそっと触れた。
そのすべすべした面が、ジニョンの頬に触れた時の滑らかな感触を蘇らせる。
そして、この指先に触れた彼女の髪が、
どれほど柔らかく艶やかだったかも思い出させた。


     ・・・僕は君が恋しくてたまらない。
     僕のこの指先まで、こんなに君を恋しがっているのに・・・。

     僕の愛しい人!
     君は本当に僕の元から歩み去ってしまったのか?
     こんな風に?・・・



彼は心臓に鈍い痛みを感じた。

バイオリンをケースに戻し、蓋を閉める。
書斎を出ようと向きを変え、
彼女を見つけられる望みのあった最後の部屋、
その書斎の明かりを消す。

同時に彼の最後の望みもまた消えてしまった。


ドンヒョクは壁に寄りかかったまま、気が抜けたようになった。
ため息が出る。


     ・・・どんな慰めも、気休めも思いつかない。

     廊下の弱い明かりの中で、通路全体が薄暗く澱んだまま、
     何もかもが生気を失って見える。
     ここは、こんなにも暗い・・・


だが突然、彼はどうしても、もうこれ以上耐えられなくなった。
自分の体のどこかがしおれて、萎えていく。
また別の部分が弱り、また別の部分も衰え・・・
体の全部が枯れしぼんでいくように感じられる。

ドンヒョクはそこに立ったまま、階段の近くの床をぼんやり見つめていた。
後ろに続いている廊下は真っ暗で、ただ階段の一番上に佇んでいる。


     ・・・行かなければ。
     だが、どうしても、階下に降りていく力が湧いてこない。
     かといって、ここにも居たくない。

     君無しでは、この家もまるで無意味な場所だ。
     君は家政婦が帰った後、ここを出たのだろう。
     前と同じようにしたに違いない。
     タクシーを呼んだのだろう・・・


彼は片足を踏み出し、階段の最初の段に足をかけた。


     ・・・まだ君に会える望みは残されているのだろうか。
     君がニューヨークを発つまで、
     あとほんの僅かの時間しかないのか?・・・


ドンヒョクはまだ迷っていた。


彼の後ろ、廊下の先の方で何か物音がした。
そのまま足を止める。


     ・・・何の音だ?・・・


彼は気を静めようとした。



     ・・・あの物音は
     この廊下の終わりの右の方から聞こえてくるような気がする・・・

     あれは・・・?!
     君か?
     君だろうか。
     気のせいか。
     幻覚?

     もし僕が振り向いて向こうを見たら、
     廊下に沿ってまた、壁の明かりがか弱く灯っているのを見るだけだったら?
     そして、再度絶望に打ちのめされるのかもしれない!・・・


だが、ドンヒョクは後ろの方から流れてくる光が段々強く、
はっきりしてきたような気がした。
また心臓が荒々しく鼓動を始める!


まるでスローモーションのように、ドンヒョクはゆっくりと振り返った。


     ・・・ああ、君は行ってしまっていなかった!


彼の部屋のドアが少し開いて、ジニョンがそこに立っていた。
彼女の寝乱れた髪が、肩の周りに柔らかく広がり、
優しい穏やかな顔をしている。


彼女の後ろの窓は大きく開かれて、そこから
夏の香りのする風がこちらに吹き込んで来る。

風はなぶるように後ろから彼女を撫で、
着ている寝間着のドレスの裾を、
さざ波を立てるように、そっと持ち上げて揺らした。



「わたし、長いこと、ずっとあなたを待っていたの!」


     ・・・君の口からそんな言葉がこぼれた。


     僕は目を閉じ、そしてもう一度ゆっくりと開いた。
     涙が盛り上がって来て僕の瞳を濡らす。

     だが君はまだそこに確かに立っていて、
     涙ごしにも僕は君の姿が見える。

     君の後ろから差し込む月光は一分毎にますます強く、
     次第に明るく冴えてきている。
     あまりに明るくて、光がここの闇を全て取りのけて行くようだ。


     僕の愛する人!君はついに僕を思い出したの?
     君は僕を見つけたの、そうなのか?


     君は僕を待っていたんだね?  
     僕も待っていた、長い長い間待って、
     やっと君をみつけた!

     僕は君と一緒に居られさえするなら、
     これから先どんな困難が降りかかろうと何も怖くない。
     どんな障害があろうと、乗り越えるために何でもする!


     僕はもう寂しくなんかない。
     君の手を取って、これからの人生を一緒に生きて行きたい。
     未来へ向かって歩いていこう、明るい未来へ。


     月の光の降り注ぐ中、本物の君を抱き締めよう!
     君をしっかりとこの腕の中に抱き締める。
     決して、二度と再び君を行かせはしない!
     僕らはもう2度と離れない・・・



二人の間を隔てる距離はなくなった。

ドンヒョクはジニョンの体を引き寄せながら、
これまでの生涯で一度も経験したことのないような、
歓喜が突き抜けるのを感じた。



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出典
Original in Chinese by Jenny Lin
Translated into English by happiebb
Translated into Japanese by AnnaMaria

2004/7/15 ~ 2004/7/29, 2005/10/25 dreamyj
2004/8/5 ~ 2004/9/8 BYJ Quilt (by happiebb)
2004/8/8 ~ 2004/9/8 2005/11/30 hotelier 2002(by happiebb)

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