ボニボニ

 

My hotelier 47 - スリーピング・ビューティー - 

 




ああ・・ジニョンが先に 寝てしまった。


深夜に戻ったドンヒョクは ベッドで寝込んでしまった恋人を見て ため息をついた。


パチン・・・PDAを開いて ジニョンのローテーションを確認する。
“明日は 早番・・・。 この頃疲れているみたいだし 起こすのは可哀想か。”

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サファイア・ヴィラの寝室で ドンヒョクが ナイトキャップのウイスキーを飲んでいる。
隣に眠るジニョンは 深い淵に沈んだままで ぴくりとも動かない。

「・・・・・・・」


死んだような彼女に不安になって ドンヒョクがちょっと 頬に触れる。
柔らかく撫でてやると 気持ちよさそうに 肩を揺らした。
額に口づけて 髪をすいてやる。 ジニョンは まったく 目覚めない。

―よくも これほど 無防備に眠れるものだな。


恋人が目覚めないのをいいことに 今度はこめかみにキスをすると
眠り姫が むにゃむにゃと 色気のない声を出した。


「だって ドンヒョクssi ○※&#・・・」

「ふ・・・・、 光栄だな。」
―僕の夢を 見てくれているのか? 
ジニョンの寝言に ドンヒョクが微笑む。
「しかし 寝てても “クロンデ” だ。 口ごたえの多いジニョンさん・・・」



片手で ジニョンを撫でながら  氷を揺らして ドンヒョクが酒を飲む。

サファイア・ヴィラは静まりかえり グラスを打つ氷の音だけが カラン・・ と響く。

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「ドンヒョクssiには・・・ 内緒よ・・・焼き餅やくか・・ら・・」
「?!」


―それは 聞き捨てならないな。

「何のことだい?」
思わず 素になったドンヒョクが 寝ているジニョンに問いかける。

びくり・・・
ドンヒョクの声に 反応したジニョンが もじもじと向こうをむいた。

「・・・ジニョン?」
ドンヒョクは グラスを置いて 恋人の顔を覗きこむ。
スゥスゥと・・・ 確かに寝息のジニョンに ドンヒョクは いらだたしさを感じる。



そっと・・・ 背中を抱きしめる。
「ジニョン・・ 僕に何か 秘密にしているのか?」


脇から手を差し入れて ふわりと胸を押さえる。 寝ているジニョンが 甘い息をついた。
一度手を出してしまったら もうドンヒョクは 止まれない。

そっと・・・・静かに・・・・と 自分に言い聞かせながら 眠る恋人を 愛撫する。
「・・・・・ん・・・・・・・」
眠りを揺さぶる快感に ゆっくりと ジニョンが 眼をさます。
「・・・う・・ん?・・・・・」


ジニョンが目覚めた時 我慢できないハンターは もうジニョンの中にいた。

「ドンヒョクssi・・・?」
「・・・・・ジニョン・・・起こしてしまったね。」
「・・・・・ドンヒョク・・・ssi 。 そんなことしていいって ・・・言ってない。私」
「一応・・は 聞いたんだけど。 嫌と 言わなかったから・・・」


さすがに バツの悪そうな顔で ドンヒョクが 言い訳をする。

「寝ている女性にこんなことするなんて。 あなたの紳士は どうしちゃったの?」
「・・・今夜は具合が悪いそうで  先に 寝ました。」

恋人の苦しい言い逃れに ぷっと ジニョンが笑ってしまい、
ドンヒョクはそれを頼みに もう少し甘える。 
「ジニョン・・ その・・、もう始まってしまった から。 ・・・・・先を 続けても?」

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「なんだか 変な夢を 見ていたわ・・」

ドンヒョクの腕まくらに包まれて ほてりを冷ましながら ジニョンが 話をしている。
「私が 白いドレスで出勤しようとしたら あなたが絶対だめって 怒るの。」


―なんだって 夢の話というのは 大体 こう馬鹿馬鹿しいんだろう・・・。
 白いドレスって 胸の見えそうなパーティードレスだろう? あんなもん着て会社へ行くか?

とはいえ 今夜のジニョンに頭の上がらないドンヒョクは 大人しく夢物語を拝聴している。 

「あなたが 背中のジッパーを上げてくれなくって。 私が  困っているとね、
ウイスキーグラスをカラカラ言わせたレオさんがやって来て 上げてくれたの。」
「!!」

“ドンヒョクssiには・・・ 内緒よ・・・焼き餅やくか・・ら・・”

―レオ、お前か。 ジニョンの相手は・・・。

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「なんだか 今日のボス やけにレオさんに当たりますね?」

「な、そうだろう? 俺も そう思うんだけど ・・・何だろうなあ?」

まさか夢の中で ジニョンのジッパーを上げたせいだとは さすがのレオも気づかない。

―レオ 許してくれ。まったく お前に 罪は無いんだ。


“ドンヒョクssiには・・・ 内緒よ・・・焼き餅やくか・・ら・・”
あの ジニョンの声が許せない。 
ため息まじりの ドンヒョクは自分の愚かさを 深く 恥じていた。 

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