ボニボニ

 

My hotelier 50 - ショー・ストリッパー - 

 




「欧米社会に於いて ストリップティーズは 大人の娯楽です。」

企画担当者のプレゼンテーションに
皆が ふと真面目になったのは
その担当者が 20代のうら若き女性だったからだろう。

この時もし口を開いたのが ユ支配人なら
企画は違う意味合いを帯びて きっと流れていたに違いない。

そして 次に口を開いたのはテジュンだった。
「まあな・・・確かにそういう事もあるけれど・・
 バーラウンジの催し企画としては 大胆過ぎないか?」

「でも!前回のジゴロナイトは好評だったはずです!」
若きプランナーは いい募る。
「都市のナイトライフに ホテルが参画するトライアルです。」
「うー・・・ん。」

「客層にVIPを並べれば・・狙ったイメージが作れるかもしれないわ。」
ぽつりと言ったのは ソ支配人だった。
「私 贔屓筋に 電話してみてもいいですけど。」

ジニョンは いささかはねっかえりの帰国子女である若きプランナーが
決して 嫌いではなかった。
―何より 彼女は仕事熱心だもの。
何となく応援してあげたいと ソ支配人は思ったのだった。

-----

「ストリップティーズ? ・・・ソウルホテルで?」

ドンヒョクが ワインのコルクを抜きながら 問い返す。
「うん。ラスベガスあたりでやるような 大人向けのショー。」
「ふうん・・。韓国のホテルでは 難しくないかな?」

そこなのよ。野卑に堕さないように気をつけないと この企画失敗するわ。
「・・・・でね?」
「え?」
「このショーには “かっこいい大人”が集まらないといけないの・・。」

ゴクン・・・。
ワインを ゆっくり飲みながら
ハンターが 静かに警戒を始める。

すりすりと・・
なんでジニョンが 寄ってくるのかな?
まさか僕に ストリップティーズのサクラをしろと?
そんな話はご免だな。

「ミスタージェフィーは 奥様と来てくれるって。」
「!」
―トドに 声をかけたのか?!

「頭取も・・」
―デブ2まで?!
「私はだから ・・・会場担当に入るんだけど。」

「ええと・・ ジニョン。チケットは まだあるのかな?」

-----

「レオ。人目があるぞ? そう嬉しそうな顔を するな。」

ソウルホテル新館の バーラウンジで
ドンヒョクが むっつりと部下をたしなめる。
・・・ブロンド好きが この有能な弁護士の唯一のウィークポイントだな。
「でもボス。期待以上に いいショーだな。ラスベガスみたいだ。」

確かにな。素肌にラインストーンを派手にまとった
粒ぞろいのショーダンサーたちは なかなかに いい踊りを見せる。 

ジニョンがVIPを呼び寄せたおかげで
年配のカップルがにこやかに歓談し フロアの雰囲気も上品だ。

「ま、こういうトライアルも これからのホテルには必要かな・・。」
気安くジニョンに声をかけるトドを横目で気にしながら
ホテルのプロは 納得していた。

その時 ダンサーたちがホールに散った。
「ヒュウッ!」
「レオ!・・・。」

指に紙幣を挟んで立てるレオのもとへ いそいそとダンサーがやってくる。
にこにこ顔のレオが バタフライの紐にチップをすべらせる。
「お前・・・いいかげんにしろよ。」
怒りをこめて 部下を叱るドンヒョクを ダンサーが ちらりと見て・・

「ワオ! ハンサムマン」
ぷるぷると 胸を振って見せた。
「・・・・・」
―最悪だ。

フロアの向こうでは トドおやじが 大喜び。
ジニョンの笑顔が・・ ああ・・ちょっと微妙に変化している。
ダンサーは 今にもドンヒョクに抱きつきそうに
ぷるぷるぷると 胸を揺らす。

「ボス・・チップもらわなきゃ 帰らねーぞ。」
「・・憶えていろよ。レオ。」

ぱちぱちと瞬きをするレオを ギリとにらんだドンヒョクが
仕方なしに 紙幣を出すと
ここへ と ダンサーが胸を寄せた。

-----

「不潔。」

「おい・・それはないだろう?ジニョン。」

ふくれっ面の恋人に 哀れなハンターが動揺する。
「君が来てくれって言うから・・いやいや行ったのに。」
「おっぱいにチップをはさんでくれなんて 言ってないもの。」

 
助けてくれよ My hotelier・・・。
「君だって 事情は見ていただろう?」
「ワオ!ハンサムマン?
 何よ ・・きれいなお姉さんにデレデレして。」
「デレデレなんかしていない・・。 失礼だぞソ・ジニョン。」

ジニョンは ぷいと向こうを向いてしまった。
「・・・・ジニョン?」
ふるふると ジニョンの肩が震える。
「ジニョン。 ・・・? ・・・・おい!」

あはは とジニョンが大笑い。ドンヒョクssiの顔ったら
写真に撮って置きたかったわ。
My hotelier 笑いすぎだ。 君は少々 性格に難があるぞ。


サファイア・ヴィラの24時。
愛しい人に 笑われて 

切れ者ハンターは 傷ついていた。

 ←読んだらクリックしてください。
このページのトップへ