ボニボニ

 

My hotelier 58 - ブロンド おまけ- 

 




午前0時の カサブランカ。

バーカウンターを睨み付けて シン・ドンヒョクが座っている。
彼の 神経を逆なでるのは 隣に座るテジュンの 抑えた笑顔だった。


「そうですか。彼女達 まだしばらくソウルに・・・」
― それでこいつは ジニョンに手ひどいケンツクを 喰ってたのか。お気の毒様。

「・・・何だか 嬉しそうですね? 社長もブロンドがお好きで?」
― いい気味だと 言わんばかりだな!


「・・・ああ すみません。正直嬉しい部分もありますね。
 何といっても彼女達は ソウルホテルの売上に多大な貢献がありましたから。」
「ふん・・・」


「マティーニを。」

当分スターライトには近づきたくもない。
まったく現金な女達だ。 今回は 僕が助けたんじゃないか。
少しは こっちの立場も考えて欲しいものだ。


「ひとつ・・解らないのですけど?」
ショットグラスを見つめながら ハン・テジュンが問う。
「・・・あのブロンド美人達が なぜレオ弁護士と・・。 あ、いや。
 もちろん彼はすごくいい男ですが。 でも ・・・理事じゃなくてレオさんを?」



ふっ・・・

いささか自嘲気味にドンヒョクが笑う。
「彼女達から見たら 僕なんかレオの足元にも及ばないでしょう。魅力の差です。」
「?」
「ハン・テジュン。・・・僕とレオのビジネスの取り分は50:50なんです。」
「!」
「僕は 全財産でソウルホテルを買った。レオには損をさせていません。」


わかりますか? こと財力に関して 
レオは 僕など到底敵わない程の大富豪です。
「そして あのゴージャスなブロンド達は 何よりリッチマンが好きなんですから。」



―もちろん・・・ きっとそれだけじゃない。
 まったく。本当に 眼の肥えた女達だよ。
 誰がいちばん優しいか ちゃっかり見抜きやがった。


「しかし あの どちらと ・・その レオさんは お付き合いを?」
くんとあごを引き チラリとテジュンが眼を向ける。
「解りません。社長はどう思います?」
「うーん・・・。」


もしも ジニョンに聞かれたら まとめて叩かれそうな無駄話。
カサブランカのとまり木で
もてない男2人達が ぼやいていた。 

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