ボニボニ

 

My hotelier on his Birthday05 night

 




パーティルームはお開きになり 2次会はサファイアに流れた。

レオは両手にブロンドを抱いて・・・正確には2人に吊り下げられて
陽気に夜通し騒ぎそうな勢いだ。
ブロンドの廻りには男性陣。デレデレ顔で取り囲む。 

テジュンは料理長と釣り談義。話は仕掛けのイソメの保存法。
今夜のイ・スンジョンは笑い上戸で 旦那の方は泣き上戸。
イ主任と新米コックが ジェニーにわれ先に迫っては
ドンヒョクの横目に射られて びびっている。

ドンヒョクは 愛しい人の手を膝に置き
大事そうに撫でている。 すりすり・・ すりすり・・・
サファイア・ヴィラの23時。  皆が いつまでも帰らない。

―あの皆その そろそろ・・・ね?

すりすりすり・・・・

―僕は ちょっと ジニョンとその・・・

すりすりすり・・・・

「・・!? きゃあぁぁ! ドンヒョクssi 大丈夫?!」
「え・・・?」

ジニョンの悲鳴に 室内が ぴたりと止まった。

ぶるぶると ジニョンが手を持ち上げる。
華奢な彼女の白い手が 真っ赤な血で染まっていた。

「ど・・うしたの? ドンヒョクssi?どこか怪我しているの?」
「あ・・・」


今朝ペットボトルで切った傷。

しばらく押さえていたら 血も止まったので忘れていた。
アルコールが入ったせいだろう。
ジニョンの手を撫でるうちに傷が開いて 意外な程に血が出ていた。

ガーゼだ。 アルコールに絆創膏だ。
そこはプロの接客業。 
あっというまに処置が終わり 皆がほっと一息ついた。
「あ・・・もう12時近い。」

しっかり者のヒョンチョルが ふと 気がづいて立ち上がる。
「皆さん! “客と白鷺は立ったが見事”と申します。
 お誕生日が残っているうちに 邪魔者達はさっさと退散です。
 そろそろ理事を解放して差し上げなくては ソ支配人がむくれますよ。」

いやあね・・と言いながら ジニョンが笑う。
ドンヒョクが露骨に笑顔になって それが可笑しくて皆が笑った。


「ジ・ニョーン? お誕生日くらいカルテットでどお?」
陽気なブロンド二人が 帰り際に 腰をくねらせる。
「ほらほら・・・気の利いた化け物は引っ込む時分だ。行くぞ!3次会。」
足の短い牧羊犬の様に レオが皆を追い立てる。


一団の最後でテジュンが振り返り じゃあなと白い歯を見せて行った。

「ハン・テジュン!」
思わず ドンヒョクが呼び止める。
「・・・・今日は どうもありがとう。」
ハン・テジュンは振り返らずに 片手をふわりと上げて去った。

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「ドンヒョクssi・・。怪我は大丈夫?」

2人になるなり ジニョンが聞いた。
「だめだな。今すぐベッドに横にならないと 失血死してしまうかも。」
「その口がきければ 平気ね。」

サファイア・ヴィラのリビングは 台風の去ったあとの様だ。
やれやれと 腕まくりして ジニョンがグラスをまとめ出す。
「・・・ジニョン・・・それは そのままでいいよ。」
「だめよ。 ハウスキーピングの皆が 明日大変だもの。」
「いいんだってさ・・・ほら。」
「え?」
ドンヒョクが カードを持って振り返る。
『お部屋は どうぞそのままで 
   明朝プロの技をお見せします。 ハウスキーピング』

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サファイア・ヴィラの真夜中近く ジニョンが ベッドにもぐりこむ。

「大変!早く!ドンヒョクssi! 日付が変わってしまいそう。」
「だってまだ 髪が濡れているんだ。慌ててシャワーを浴びたから・・」
「いいから来て来て。 髪は拭いてあげる!」

ポンッ と軽快に ドンヒョクがベッドに飛び乗った。
「何で そんなに急いでいる・・・・ん・・・」
ジニョンに覆いかぶさったドンヒョクが 
下から伸びた腕につかまって 甘い唇に落ちてゆく。

恥ずかしがりやが大胆に 今夜は自分で脚を開いて誘う。
びっくり顔のハンターが それでも 中に納まった。

「ジニョン・・」
「お誕生日おめでとう。・・ああよかった! 今日のうちに言えたわ。」

本当に髪がびしょびしょね。
ジニョンがタオルで ドンヒョクを拭く。
小さな子の様に髪を拭かれて くすぐったそうなハンターが笑う。

「ジニョン。 ・・ありがとう。
 僕 誕生日をこんな風に祝ってもらうのは初めてだ。」
「ドンヒョクssi・・。」

これからよ。 今日が始めでこれからずっと。
皆と一緒に 楽しく過ごしましょうね。

「・・・出来るかな?」
「だって 私に出会ったじゃない?」
「ジニョン?」
「うん?」
「そろそろ・・動いてもいい?」
「あ・・」


最高だな。なんて可愛いプレゼント。

腕いっぱいの贈り物を抱いて 33歳のハンターが にっこり笑った。

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