ボニボニ

 

JUNI 10

 



アタシが ジュニを抱きしめて 
ジュニが アタシを抱きしめる。



ほんの小さな2人の とても真剣な抱擁を 大人たちが 遠巻きに見る。


「この 記憶は ・・なに?」
茜さんが 僕のお嫁さんになると言ってくれた時のことです。
「ああ 良かった・・。  やっぱり茜さん 憶えていてくれました。」
ありがとうとジュニがキスをする。 それがまた恐ろしく ディープ。


「そんな所に手を入れると ・・寒い。」

アタシは ワニ眼で威嚇する。油断のならないジュニが
しおしおと 胸にもぐりこませた手を 退却させて
セーターの裾から引き抜いた手で パー・グー・チョキと おどけてみせた。


-----



すす・・と 下着を下げながら ジュニは しつこい事を言う。

「茜さん。 僕を 好きですか?」


ジュニの 悪魔。 
いつまで昔(?)のことを 根に持つんだ。
もうゴーカンだなんて言わないから いちいち意思確認を しないで欲しい。

文化祭の翌週。 
アタシはジュニの部屋で  数学じゃない事 を教わっていた。

ぱんつを半分下げた格好で ジュニが好きって言わされる。
「しびれます。 僕 生きてて 良かった。」
ありがとう茜さん と たった19歳のジュニが ジジイみたいな事を言った。


アタシが思い出した 12年前のハグシーンについて。
ジュニはにっこり笑って それ以上言わなかった。 

アタシは 何だかわからないけど このことは
ジュニが言うまで聞かないほうがいいと 感じた。


いそいそ下着を抜き取って ジュニはアタシの下腹部で ぷわぷわと
唇をトランポリンさせて楽しんでいる。 やめろっ ぷよぷよフェチは!!



「ねえ・・・ジュニ。」

「だめです。 今日 僕は我慢できません。だってもう二週間以上です・・」


だから それはいいよ。そうじゃなくて。

「シスター・テレサに 何・・・を 懺悔するつもり?」
茜さんと 姦淫の罪を犯しました。 なんて言わないでよね。退学になっちゃう。
そういうと ジュニは不思議そうな顔をした。


何で 懺悔なんかするんですか? 
茜さんとのコレは 姦淫なんかじゃありません。

「僕は 茜さんを心から愛しているし なにがあっても 絶対 妻にします。」
ちょっとフライングですけど このご時世 それ位は神様も柔軟になるべきです。

大したもんだよ ジュニってば 神様に許容限度まで指示するつもりだ。


「僕が 告悔するのは 勤勉を怠った罪です。」
「勤勉・・?」
「そうです。本当は僕 もっともっと懸命に勉強すべきなんですけど。」

茜さんと一緒にいるのが楽しくて・・。だめですね。
このままでは オール優さえ取れないかもしれません。
「・・・・。」

何か・・。 嫌味通り越して 天然だな ジュニって。
「オール優さえって・・それ以上が あるの?」
「それは・・ 僕 大学でもスキップする予定ですから。」



アタシの成績が上がっても ジュニがほめない理由がわかったよ。
きっとジュニにとって216名中91番目なんて順位は 
ハナクソみたいな成績だね。   アタシは なんか むかつく。



「もう・・お話は 終わりです。」

ジュニが 下から腿を持ち上げて 真ん中に 顔を埋めていく。
「・・やだ・・そんなの・・。」
「茜さん。 お風呂できれいにしたから 大丈夫です・・。」

お風呂に入ったこと やっぱりバレたか。   準備しましたみたいで 恥ずかしい。
ジュニの誘いを かわし続けてたから 今日あたり 逃げ切れないかなって・・。
だけど せっけんの匂いがしたら 今日はOKって 感じだよね。

「・・・あ・・・。」


ジュニのキスはやっぱりすごい。 アタシを全部 舐めとるつもりだ。
ジュニの舌に 持っていかれそうなのは 今は 唇じゃないけれど・・。

アタシの顔が 真っ赤になる。 ジュニが下から戻ってきて
愛しげに顔を覗きこむと あむ・・と首筋を 甘噛みした。

誰かが 甘い声を出す。 それは 気がつくとアタシの声だ。 
ジュニは その声をいくつか集めた後で やっと 服を脱ぎ始める。
優しげな顔の下の 凶暴そうな筋肉。 アタシはシーツから びくびく覗く。



「・・・怖いですか? 僕の 身体。」

怖じるアタシを 横目で見て 困ったようにジュニが笑う。
この身体は 茜さんを ちゃんと守れるように 鍛えているのにな。

ジュニの 太い腕が アタシの顔の両側に 神殿の柱みたいに立つ。
身体の下にアタシを組み敷いて ジュニが覗き込んでいる。
下から手を伸べて そっと 厚い胸を撫でてみた。

「硬いね・・。」


ふっと笑ったジュニは  アタシの胸を 片手で包む。
「茜さんは・・・とてもとても 柔らかいです。」

ジュニは アタシの腕を上げて 内側の柔らかなところへ印をつける。
脇の下からお腹の横まで 柔い部分へ 唇を寄せる。
ぷよぷよに 眼のないジュニ。 いちばん最後に 硬いものを 
アタシの 一番柔らかい場所に挿した。

「・・・あ・・」
「痛く ないですか?」
「・・・もう平気・・。」

アタシが痛くないように 気持が いいように。
ジュニは とても気をつけて そうっとアタシを抱く。
大事に大事に してくれるね。 アタシの肌が ジュニの愛撫を記憶してゆく。

ジュニがアタシを揺するたびに あ、あ、あ、と声がもれる。

アタシが 大きく背中をそらすと
茜さん って ジュニが抱きしめた。

-----



「わぁぉ・・ タルト・ミルフィーユ!」

ジュニが まあ 柔らかな歓声を上げる。
見てよ ママの得意な顔。 おだてられると ガシガシ木に登る人だ。

しかしまあ ジュニってば ものすごく素敵な驚き方をする。
わぉ・・と 眼と口を 大きく開けて 
そのまま ぱあっと 笑い顔がはじける。
見てるこっちまで口開いちゃって  ・・きっとアタシ シーサーみたいな顔してるな。


ママさんが作ったんですか? パティシエみたいですね。
ジュニは 上手にミルフィーユをカットしてフォークに乗せ
大きな口をあけて パクンと食べる。 すごく優雅だ。

「んん♪」
「どおどお? ジュニちゃん あまり甘くないのが良いというから 
 普通より ちょっぴりお砂糖 控えたの。」


わくわくと ママは ほめ言葉を待っている。

あのねえ 口いっぱいのミルフィーユだよ? しゃべれるわけないじゃん。


だけどジュニはやるもんだ。 フォーク持った手で 親指を立てて
キュッっと片目をつぶって うんうんとうなずいた。Good!
「きゃ~ん!! 美味しい? 美味しい?  良かった~ん!」

こいつ マダム・キラーだな・・・。 あっさりウィンクなんかして。

ジュニときたら 底なしの食いしん坊だ。
ご飯のあとで アタシを食べて デザートがタルト・ミルフィーユ。


あたしは ぼろぼろこぼしながら 不器用にミルフィーユを食べる。
大体タルト・ミルフィーユって 食べる人をバカにしてる程 食べにくい。
ジュニが それを見とがめて 兄のようにたしなめた。

「茜さん。 ミルフィーユは重なっているから 美味しいんです。
 一段ずつはがして食べては いけません。」
「う・・う・・うるさいなあ! だって パイがカスタードですべるんだよ。」
「そういう時は 横にして切れば・・ね?」
「アタシは 一段ずつはがして食べるのが す・・好きなの!」

・・・そんなことない。 でもなりゆきで言ってしまった。

ママは ジュニ専用のギャルソンヌみたいに
紅茶の減り具合を チェックしている。 アタシ 紅茶のおかわり欲しいな。
「何よ。 ママはお手伝いさんじゃないわよ。」


ママはジュニに笑いながら 自分で注げと アタシにポットを 渡した。

 ←読んだらクリックしてください。


このページのトップへ