AnnaMaria

 

続・裸でごめんなさい  34-1. タヒチからの手紙 1

 

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佳代子、結婚式ではもろもろありがとう。
おかげ様で人生最高の日になりました。

お佳代が選んでくれた引き出物のカラフルなマカロン、
プランナーのみるくさんがちゃんと持たせてくれて、
飛行機の中で一つ食べたんだけど、
容れ物ごと、うっかり落っことした隙に、
巨大な外人女性、客室乗務員がワゴンごとひき殺してくれたのよ!!!

ああ、私のマカロン!
帰ったら、またどこで買えるか、教えてね。





東京から11時間のフライトで、タヒチのボラボラ島にいます。

ここに来て5日目になるけど、
波の音を聞きながら眠るのにもすっかり慣れてしまったわ。
部屋の壁も天井もベッドまで、
ヤシだかシュロだかで編んだものでできてるの。

着いた日には、ベッドの上に、赤い花が一面に蒔いてあって、
ベッドサイドテーブルには、白い花環があり、
それはもう甘くていい香り!

ハイビスカスは私にもわかったけど、
白いのは何の花かしら。(注、ティアレだと思われる)
隆がこのまま寝転んでいいんだよ、って言ったんだけど、
お花がかわいそうだし、
きれいなシーツにシミができそうでできなかった。


夕食を食べて戻ってきたら、ベッドの花は片付けられて、
脇のガラスの容れ物に花が移動して、
お風呂にもいっぱい浮かべてあったわ。
(写真撮っておいたからね)




コテージ一つ一つの前に真っ白なビーチが広がっていて、
昼間はほとんど誰にも会わない。

夜明けがとてもステキなの。
空と海、辺り一面が燃えるような真紅とオレンジに染まって、
ヤシの樹のシルエットだけが黒く切り取ったように見える。

風が凪いで、あたり一面、鏡のように静まり返り、
かすかに波の音が響いてくるだけ・・・。

ここはどこなんだろう。
本当にパラダイスに来たのかもしれない、と思ったわ。


日が昇り始めると、さまざまな青のグラデーションが展開する。
藍色、群青、碧青、マリンブルー、セルリアンブルー、水色、
あらゆる青がこの世界に存在してるんだって、
奇跡のように実感しちゃうの・・・。




午前中は、島の人にカヤックを出してもらって、
セルリアンブルーの世界にぽっかり浮かぶのを楽しんでる。

わたしはダイビングができないから、シュノーケリングだけ教わって、
海の中を見られたの。
鯛やひらめじゃないけど、いろんな魚が舞い踊っていて、
まさに竜宮城・・・


タヒチで竜宮城って発想、変?
わたしが言ったら、隆が笑うのよ。


午後はコテージで二人でお昼寝。

甘い香りに包まれて、うとうとするこの時間が最高。
あんまりうとうとばかりもさせてもらえないんだけどさ。





一日だけ午後に海に行ったけど、陽に焼け過ぎちゃうの・・・。

でも水の上にぽっかり舟がうかんで、
舟の影が海の底にそのまま映っている感じを
どうしても体験してみたかった。

小さな舟にのってると、
自分が舟そのものになったみたいな気がしちゃう。
このまま、どこまでも進めちゃうような、ね。
実際は漕いでもらってるんだけどさ。


隆は何本かダイビングをしたみたい。
もう、こんがりよ。表も裏もないくらい・・・。
笑うと歯だけ白く光るの。




起きて、泳いで、散歩して、寝て、と、
何にもしない生活なのに、すぐ慣れちゃって、
ずうっと前からここにいたみたいな感覚なの。



夕方は、食事ができるまでビーチで散歩したり、
島の子供たちとちょっとだけ遊んだり・・

皆すごく上手に、花や葉っぱで冠を作ってかぶってるの。
私にも作ってくれて。
バカみたいだけど、それを被って散歩してる・・・


冠に編まれた花が甘く匂って、
それはそれはうっとりするような気分よ。

隆も一度かぶせてもらったんだけど、
二人でかぶると、キスをするのに邪魔過ぎるからって止めちゃった。
あ、こんなこと、独身のお佳代に言うべきじゃないわね。




あと、隆には内緒だけど、
ここの島の若者ってそりゃあ、いい体つきをしているのよ。
陽に焼けて、ひきしまった肉体が
ハーフパンツだけで歩いているのって、
すごくカッコいいの。
荷物を運んでいる若い男性の黄金色の肌が輝いて、
思わず見とれていたら、にっこり振り向いて笑ってくれたの。
隆に思いっきり、耳をひっぱられたけどね。


夕焼けのビーチで若い男の子たちが遊んでいるんだけど、
その筋肉のつき方のきれいさったら、見とれちゃうくらい・・。

正直なところ、それも見たくて、
夕方ちょっと遠くまで散歩しているのよ。

あ、隆には絶対内緒よ、殺されちゃうもん。



この日焼けのツケがいつか回ってくるのかもしれないけど、
そんなことどうでも良くなって来るくらい、
空と海と透明なラグーンを楽しんでいます。

あまり気の利いたお土産はないみたい。
というより、あまりあちこちに出歩いてないの。

帰る日のことは考えたくないけど、でもまたお佳代たちに会いたいわ。
じゃあ、色々ありがとうね。


まどか

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